お腹が減ったのでスーパーでプリンとおかきを買った。猫のエサを買いに行くというのは大義名分というわけでもないのだがそれは本来の目的かつ建前であって無意識の領域では空腹をしっかり感じながら意識と無意識の領界言うなれば半意識がそれを否定している腹が減っているのではなくて腹が減っていると思いたいだけなのだと。無意識と意識の非整合を半意識下で小競り合いさせている間にカゴには30から50パーセント値引きされた生鮮食品とかお菓子とかいくつかのプリンとかが次々と放り込まれて僕はお腹が満たされていくすぐそこにある未来を想像する。当たり前だが意識が切り替わることで半意識下の小競り合いはすっかり収束して次第に僕の意識は高止まりしているエンゲル係数と下げ止まりしているクレジットカードの予算枠とカゴに積まれた値札で覆い尽くされ反射するリノリウムの光ですら脳内センサーがうまく反応しないくらいに鈍り始めた。意識がなにかしらの決断を下す前につまりそれは僕が買い物に対する意欲を失う前に店員にカゴを預けることで財布だけが傷つき僕自身が傷つかないまま問題は無事に先送りされる。ああそういえば自分はお腹が空いていたんだ満たされたいんだなんてわかりきったことが店員のピピッとやっているタイミングで意識に上ってきてついついスプーンありますかなんて聞いてしまった。大きいスプーンとデザート用の小さいスプーンがありますけど何個ずついりますかなんて聞かれちゃって今すぐに食べたいだけだから1つあれば十分なんだけど小さいの2つあると助かりますなんて言っちゃって後から環境負荷に貢献している自分を少しだけ責める。なんちゃって自分にあてた免罪符としての心ばかりのごめんなさい。店前に置いてあるベンチで店員にもらったプラスチックのデザート用使い捨てスプーンでプリンを食しぷくっと膨らんだおなかをさすりぼーっとしてたら「そろそろ仕事の時間ですよ」なんて誰かに言われた。それは錯覚まるで脳のどこかに居る別の自分が自分に語りかけるあの感覚は脳のどういった仕組みなんだろうなんて思いながらも天気がいいからすくっと立ち上がってレジ袋をバイクにくくりつけスーパーに併設された喫茶店に入って机に座り、こうしていまこの文章を書いている。

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